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網膜光凝固術について

網膜光凝固術( レーザー治療)

光凝固術はレーザー光によって網膜を温熱凝固する安全な治療です。
点眼麻酔を用い、短時間で治療することができます。
治療中は、まぶしさを感じ、痛みも多少ありますが、終わればそのまま帰宅できます。

注意1:網膜疾患の進行予防が目的です。
注意2:レーザー治療を行っても病気の進行を止められない場合もあります。
注意3:病状に応じて、3-4 回の追加凝固もします。別に手術が必要となる場合もあります。
注意4:黄斑に浮腫がある場合は抗VEGF治療も行います。 (ルセンティス・アイリーアの硝子体内注射)

糖尿病性網膜症

網膜静脈閉塞症

網膜裂孔及び網膜周辺部変性症

網膜光凝固術の費用(片眼)
通常のもの( 一連につき) 10020点
その他特殊なもの( 一連につき) 15960点
1割の方  14,000円
3割     36,000 ~ 60,000円

※ 一連とは、治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の過程をいいます。
※ また、その他特殊のものとは、網膜剥離裂孔、黄斑変性症、網膜静脈閉塞症、糖尿病性網膜症など。

民間の各種保険でも治療費の一部が給付される場合もあります。詳しくは保険会社にお尋ね下さい。

糖尿病網膜症について Q&A

糖尿病網膜症ってどんな病気?

糖尿病は、血液中の糖分(血糖)が多くなり(高血糖)、その結果、全身の血管や神経がしだいにおかされ、目や腎臓をはじめ、全身のいたるところが障害される病気です。

糖尿病が怖い病気といわれている理由は種々の合併症にあります。
そのなかでも、三大合併症として最も恐れられているのが、「腎症」「神経障害」、そして「網膜症」です。

網膜症は、網膜に障害が起こり、場合によっては失明することもある怖い病気です。初期は自覚症状が乏しいため、気がつかないうちに病気が進行してしまい、ある日突然、眼底に大出血や網膜剥離を起こして、失明の危機にさらされることがあります。

なぜ糖尿病網膜症になるの?

糖尿病で高血糖状態が続くと、まず全身の細い血管に障害が起こります。
糖尿病になると、目や腎臓に障害が起こりやすい理由は、目や腎臓には細い血管がたくさんあるためです。

網膜には、目に酸素を運ぶための細い血管が縦横に走っていますが、血中のブドウ糖が多くなると、網膜の毛細血管に異常を来して、血管に瘤(こぶ)ができたり、詰まったりして、血液の流れが悪くなります。
そうなると、網膜が酸素欠乏状態となるために、血管がもろくなり、血管壁から血液中の成分が漏れ出したり、血管が破れやすくなったりします。

さらに進行すると、広い範囲で血管が詰まったり、異常な血管が発生するなどの変化も起こってきます。このような血管の異常によって、網膜にさまざまな障害が起こるのです。

どんな治療をするの?その1

網膜症が軽い段階であれば、次のような治療で、進行を抑えることができます。

A. 血糖コントロール
単純網膜症で、視力が良好な段階であれば、食事療法、運動療法、薬物療法などによ り、血糖値をコントロールすることで病変の悪化を防ぐことができます。血糖値を安定した状態に保つことができれば、小さな出血などは自然に消えることもあります。もちろん、ほかの治療を行う場合でも、血糖コントロールは継続することが必要です。

B. 光凝固(レーザー治療)
単純網膜症でも視力の低下がみられる場合、あるいは前増殖網膜症の段階になると、レーザーで網膜を焼く「光凝固(ひかりぎょうこ)」を行います。外来で行いますが、片方の目で約1000〜2000か所を凝固させるので、数回の通院が必要です。ただし、点眼麻酔を行うので痛みはさほどありません。

C. 抗VEGF治療
黄斑部の浮腫が強い場合、レーザーのみでは視力の回復が遅れます。 アイリーア・ルセンティスなどの硝子体内注射を併用することで、視力の向上が期待できます。

どんな治療をするの?その2

症状が進行してしまった場合は、手術が必要になります。

硝子体手術
硝子体の中で大出血が起こったり、網膜の表面に増殖膜ができたときは、「硝子体手術」が必要になります。この治療法のおかげで、最近では高い確率で網膜剥離も治せるようになりました。しかし、長く剥離したままにしておくと、網膜の神経組織が傷んでしまうため、剥離が治っても視力回復は不十分なことがあります。硝子体手術は、眼科手術のなかでも高度な技術が必要とされるうえに、特殊な機器が必要です。そのため、すべての医療機関で行えるというわけではありません。

早い段階で網膜症を発見できれば、治療もそれだけ簡単に済みますので、治療の効果も上がります。どの病気にもいえることですが、早期発見・早期治療が糖尿病網膜症では何よりも大切です。

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